2012年10月8日月曜日

瓦から生えたつる草もみぢする

急に琵琶湖が見たくなって、地図で調べてみたら、北白川から大津までは「志賀越道(京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線)」と呼ばれる山道が最短距離なようで、予想以上に近い。これは良い、ということで、さっそくいつものママチャリに乗って家を出る。出た、が、この山道尋常ならざる傾斜の昇り道が延々と続く。そもそも、明らかに自転車での通行は想定されていなくて、自動車しか通っていない。況んやママチャリをや、である。それでも、死にそうになりながら、琵琶湖まで辿り着いて、辿り着いたのいいけれど、同じ道を戻る体力も気力もない。帰りは、山科経由の迂廻路で帰った。まさに急がば回れである。急がば回れついでにちょっと調べてみたら、「急がば回れ」は、室町時代の連歌師宗長(1448~1532)の、

もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋

という歌が語源らしい。矢橋から船を使って琵琶湖を渡ったほうが速いけれど、比叡山から吹き下ろされる風(比叡おろし)によって危険な航路であるから、瀬田の唐橋を渡った方がいいよ、という意味。

海のやうな湖がある場所にきて釣竿なげる父子をみてゐる
ずいぶんと世界が薄いみづいろの空 地平線 をりかへす波
淡海のとうめいなみづ冷たくて終らない夏の終りを思ふ
瓦から生えたつる草もみぢする 園城寺 秋のはじまりのこゑ

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