百舌鳥へゆく。百舌鳥には、有名な大仙陵古墳(仁徳天皇領)を始めとした多くの古墳が集結している。大仙陵古墳やニサンザイ古墳のような巨大な墳丘を誇る墳墓には圧倒されたが、私としては、直接墳丘に登れるような、より小規模な古墳に魅力を感じた。なかでも中百舌鳥駅近くの御廟表塚古墳は、脇に樹齢800~1000年とされるクスノキが植えられ、その奥に筒井順慶の子孫の屋敷とされる「筒井邸」が垣間見える等、見どころの多いオススメの古墳だ。それにしても、墳丘あるところ、森あり、とでもいうべきだろうか、日本の古墳の上には必ず木々が生えている。これは本来の姿とは関係のないものなのであろうが、原形を留めずにただの「土」としてあるかのような墳墓のありさまには、ある好ましい「様式」の存在を確かに感じるのである。
くすのきの葉の生えかはる
くすのきの葉の生えかはる季ときとして今年も春を送らむとする
返信削除(クラシカルな歌の雰囲気の、それもそのはず、「中百舌鳥古墳群」の中で詠われたのですから。楠は、神社仏閣に植えられて、太古の表情をもっています。あなた様が、訪問先として百舌の地を選ばれたのは、まことにもって、ゆかしい感じがします。とても、二十歳の若者の想うところとは思われません)
私は、30余年をこの百舌の平野を通って、住吉区役所と大阪市立大学に通勤しました。百舌の地には、百舌一族が居て、万代(まんだい)という姓を「モズ」と呼ばせています。
鵙の野に鐵塔エレキ通はする 茅舎
(茅舎は、武蔵野の地を詠ったのでしょうが、私には、関西の中百舌鳥平野を連想するのです)
よき文章を示していただき有難うございます。/E
実は中百舌鳥で、「文学フリマ」っていう同人誌の即売会があって、完成した「京大短歌」の19号を売って来たんですよ。古墳は朝一で出てイベントの前に回って来ました。
返信削除鉄也さんの職場の近くだったんですね。あの辺りは普通の町並にも、この記事の写真みたいに独特な情緒がありました。