短歌結社誌『未来』の1月号を読んだ。今月も秀歌選をつくってしまおうと思う。『未来』2013年1月号に掲載されているすべての短歌より5首選んだ。掲載順に記す。
1 傷がつきにくい加工をほどこされ傷つきにくい眼鏡のレンズ 柳澤美晴
2 刻々と老いる体であそびたい(まだあそびたい)カステラを焼く 村上きわみ
3 こっくりとした色へ髪を塗りかえて今日こそ秋をはじめなければ 中込有美
4 純白の羽根の名残のように咲く睡蓮を指差してあなたは 中込有美
5 完璧なカラメルなのよ微笑んでひと息に割る銀のスプーン 中込有美
1――最後まで読んでも「傷がつきにくい」というそれだけなのであるが。
2――(まだあそびたい)。
3――「こっくり」は「色・味などが、落ち着いて深みのあるさま」(大辞林 第三版)を表すらしい。いかにも秋らしい秋――「定型」としての秋――への焦燥。
4――輝かしいまでの美しさを放つ前半の描写がむすびの「あなたは」の言いさしに収斂する。
5――「カラメル」と「銀のスプーン」の光沢の呼応と破壊。
3 こっくりとした色へ髪を塗りかえて今日こそ秋をはじめなければ
返信削除4 純白の羽根の名残のように咲く睡蓮を指差してあなたは
5 完璧なカラメルなのよ微笑んでひと息に割る銀のスプーン
中込有美さんのロマンチックな3首だけしか、老人の私には分からない。
No.3 「こっくり色は分かりませんが、ヘヤーカラーを変えて、秋を迎えることのさわやかさ。
No.4 純白の睡蓮の花の豪華さを浮かべることが出来ます。
No.5 カラメルと銀のスプーンが同じ卓上にあって、違う役割を演じることの何気なさ。アニメのような動きを想像します。
よき大学生活に馴染まれていることと。
クラスメートや教員と交流して、知友をたくさんつくられていることと。
あなた様の作品を示されることを楽しみにしています。/E
中込さんの短歌良いですよね。鉄也さんの読みみたいに色々なことを創造出来るのも大きな魅力なんだと思います。
返信削除ちょっと短歌賞に応募しようと思って短歌を溜めてたんですけど、賞の為に短歌を作るのは凄くつまらなかったので、また昔みたいなブログを中心とした発表形態に戻ると思います。