4月と5月に詠んだ短歌をまとめておく。すべて既にこのブログに公開した歌で、計7首。御感想を頂けると嬉しい。
球体
薄闇のホームを抜けて無灯火の車両に淡き春の陽の満つ
大学へ向かふ昇り坂 人並の幸せとしてさくらはな咲く
春雨の降る駐車場帰りゆく浮かぬ心にあまた水紋
もうやはらかくほほをうつこともなく――霧中に浮かぶ街に雨降る
球体の破壊あるいはたんぽぽの綿毛をとばす 遠くへ あるいは
どこへでもゆきたくてどこにもゆけない私のめざすゆきさきは 街
いまひとたび逢ふことはなくここに昨日しづかに伏してゐし蜂の貌
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