この道しかない春の雪ふる 種田山頭火『草木塔』
この道しかない春の雪ふる
種田山頭火『草木塔』
成長するとは、自らの可能性の無さを認識することなのだろうか。それとも、手に届く幸せを噛み締めるということだろうか。大人は子供に夢を語らせる。その夢が叶わないことを知りながら。選べるつもりでいた人生の岐路が、実は自らの意思とは関わらず定められていた一本の「道」である.ことを知るとき、そこに降る「雪」は、希望のようにも、悲しみのようにも見えるだろう。